組紐の世界/近藤陽子/歴史を中心に組紐の基本事項を研究整理したもの・技術の習得を目的とする人にもその必要とするところは全て網羅できる

商品説明
組紐の世界/近藤陽子/歴史を中心に組紐の基本事項を研究整理したもの・技術の習得を目的とする人にもその必要とするところは全て網羅できる

昭和51年 161P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか

はじめに
ここ数年来、組紐を組むということが大変さかんになってきた。これは、 すべてが機械製品にたよろうとする生活のなかで、もう一度手づくりのも のを見なおそうという、最近の風潮の一環といえるだろう。自分の手で何かをつくりだすという行為は、原始に帰るということにつながり、いわば人間のふるさと心を刺激することでもある。この一手一手いつくしみなが ら組紐を生みだしていくよろこびは、手づくりの世界に魅せられた人だけ が味わえるものといえるかもしれない。

そもそも、組紐は簡単な組台を道具として、あとは糸玉を動かす人間の手によってできるものである。そのため、組む人の心がそのまま組紐にあらわれてしまうともいわれている。しかし、何百年もの昔から、人々があのせまい空間に技術のかぎりをつぎこみ、思いをこめて組んできたことを考えると、紐の道の深さを、いよいよ知らされる思いである。そこにまた、私たちが組紐にひかれるわけがあるともいえるのだ。

また、手組みの組紐は、機械組にはない弾力性があるばかりでなく、直接手がふれることによって、絹糸に艶が生まれてくるのだが、そこに手づ くりの「摩訶不思議の妙」があると考えられる。

このように伝統工芸の一角をになう組紐が、多くの人々に親しまれ、愛され、変化や発展をくり返しながら、今日の姿に至った道すじをふり返る ことが、そのまま明日の組紐の魅力の創造につながるのではないだろうか。

この本は、広く組紐に関する仕事にたずさわる人々の参考として、その 歴史を中心に組紐の基本事項を各分野にわたって研究整理したものである。単に技術の習得を目的とする人々にも、その必要とするところはすべて網羅するようにつとめたつもりである。

お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。

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